ナチュラルワインとは?②

【で、結局ナチュラルワインとは何なのか②】

vin博に出品されているワインの生産者は皆、自分たちの住む土地や自然を愛し、その自然をありのまま一つの芸術として形に変えたものがナチュラルワインだと言えます。ありのままの自然を表現する為には可能な限り人為的介入を避け、葡萄や自生酵母を自由にさせてやることが必要になってきますが、そのように作られたワインには唯一無二の個性が形成されます。

ワインの個性とは何か。品種の個性、土地の個性、その年(気候)の個性、そして人の個性。それら全てがワインとなって、グラスの中に表出されます。一つとして同じ年はなく、天候不順や病害虫の猛威、またセラー内でのアクシデント。それに対し生産者は悩み、迷いながら判断を下します。太陽に恵まれた年の葡萄自体の表現力、難しかった年にこそ光る熟練の職人の手腕。単純な優劣ではなく、畑やセラーで巻き起こった喜びや苦しみや、そういったものを全て内在したワインだから、飲み手もそこに感情移入し、そして愛することができるのです。

「いいワインを造るためには、ブドウ栽培はきついものになる。だからせめて畑の場所は景色がいい場所がいい。」(アラン・カステックス)

想像を絶する程のストイックな仕事と、それを厳しくも温かい眼差しで見守る大自然。ただワインを飲むだけでなく、グラスの奥にある生産者の顔や畑の風景が見えてくると、ナチュラルワインの本当の魅力に気付く筈です。